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システム障害の「お詫びとご報告」例文集 — 発生時・経過・復旧後の3段階

公開: 2026-08-05 / 最終更新: 2026-08-06

障害の渦中に「お詫びとご報告」の文面をゼロから書くのは、判断力を最も消耗するタイミングで最も気を使う文章を書く、という無理のある作業です。だからこそ文面は平時に用意しておくものです。

この記事では、システム障害時の顧客向け告知文を第一報(原因調査中)・経過報告・復旧報告の3段階に分けて、そのまま使える例文と書き方のポイントをまとめました。メール・Webサイトのお知らせ欄・ステータスページのいずれにも使えます。

お詫び文の基本構成 — 3段階で出す

システム障害の顧客連絡は、1通で済ませるものではなく、状況の進展に合わせて段階的に出すものです。

段階出すタイミング核になる内容
第一報顧客影響の認識から30分以内「障害を把握しており、対応中である」という事実
経過報告復旧まで30分〜1時間おき調査・対応の進捗。進展がなくても出す
復旧報告復旧を継続的に確認できた後復旧の事実、対象期間、顧客側で必要な操作

そして各文面に共通する基本構成は次の4要素です。

  1. お詫び — 影響が確認できているなら言い切る(「おかけしたかもしれません」は不可)
  2. 事実 — 発生日時・影響範囲。確認できたことのみ
  3. 現在の対応 — いま何をしているか
  4. 次の情報提供 — 「◯時までに更新します」と時刻で約束する

このうち問い合わせの数を最も左右するのが4番です。「続報をお待ちください」と書かれた告知は、待てない顧客からの電話を生みます。「14:00までに次報を出します」と書かれた告知は、14:00まで待ってもらえます。

第一報の例文(原因調査中)

第一報の最大の敵は「原因が分かってから出そう」という心理です。原因特定を待つと初報が数時間後になり、その間、顧客は何も知らされないまま障害に遭遇し続けます。原因不明でも「把握している・対応中である」ことだけを伝えるのが第一報の役割です。

件名: 【カケル請求管理】障害発生に関するお詫びとご報告(第一報)

カケル請求管理をご利用のお客様

平素よりカケル請求管理をご利用いただき、誠にありがとうございます。

現在、カケル請求管理において、下記のとおり障害が発生しております。ご利用のお客様には多大なご迷惑をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます。

発生日時: 2026年8月3日 10:00頃〜現在(継続中)

影響範囲: 請求書PDFの発行機能をご利用の一部のお客様において、発行処理がエラーとなる事象。ログイン・請求データの閲覧は通常どおりご利用いただけます。

現在の状況: 現在、原因の調査と復旧作業を進めております。

最新情報のご確認: 復旧状況は当社ステータスページ(https://status.example.jp)にて随時更新いたします。次回のご報告は11:00までに行う予定です。

原因および復旧の見込みが判明し次第、あらためてご報告いたします。ご不便をおかけしており誠に申し訳ございませんが、今しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。

2026年8月3日 10:20 株式会社カケル カスタマーサポート(support@example.jp)

第一報のポイント

経過報告の例文

第一報の後、復旧までの間に出す更新です。ポイントは時系列様式にすること。同じ告知に新しい情報を追記していく形式にすると、途中から見た顧客も1か所で経緯全体を把握できます(ステータスページの標準的な更新様式と同じ考え方です)。

件名: 【カケル請求管理】障害に関する経過のご報告(第2報)

カケル請求管理をご利用のお客様

2026年8月3日 10:00頃より発生しております障害について、現在の状況をご報告いたします。

対象事象: 請求書PDFの発行処理がエラーとなる事象

経過(新しい情報が上です)

  • 11:20 原因箇所を特定し、復旧作業を開始しました。
  • 10:45 影響範囲が「請求書PDF発行機能をご利用の一部のお客様」であることを確認しました。請求データそのものへの影響はありません。
  • 10:00 請求書発行処理のエラー率上昇を検知し、調査を開始しました。

現時点の影響範囲: 第一報から変更ありません。

復旧見込み: 12:00頃を見込んでおります。変更がある場合は速やかにお知らせいたします。

次回のご報告: 12:00までに行います。

ご迷惑をおかけしておりますことを重ねてお詫び申し上げます。

2026年8月3日 11:30 株式会社カケル

進展がないときこそ更新する

経過報告で最も重要な運用ルールは、進展がなくても予告した時刻に更新することです。文面は次の一文で構いません。

  • 12:00 原因の調査を継続しております。次回のご報告は13:00までに行います。

沈黙は「対応が止まっているのでは」という不安を生み、問い合わせに変わります。「調査継続中」という更新には、対応が続いていることを伝える十分な価値があります。予告した更新時刻は必ず守ってください。守れないと、以降の「◯時までに報告します」がすべて信用されなくなります。

復旧報告の例文

復旧報告は「直りました」だけでは足りません。対象期間・最終的な影響範囲・顧客側で必要な操作の有無の3点を必ず含めます。

件名: 【カケル請求管理】障害復旧のご報告とお詫び

カケル請求管理をご利用のお客様

2026年8月3日 10:00頃より発生しておりました障害につきまして、12:15に復旧いたしましたことをご報告いたします。

ご利用のお客様には多大なご迷惑をおかけいたしましたことを、深くお詫び申し上げます。

障害発生期間: 2026年8月3日 10:00〜12:15

影響範囲: 期間中に請求書PDFの発行を実行された一部のお客様(発行リクエスト全体の約15%)において、発行処理がエラーとなる事象。請求データの毀損はありません。

原因: PDF生成サーバーの設定変更に起因する処理エラー。詳細は別途報告書にてご報告いたします。

お客様へのお願い: 期間中にエラーとなった請求書の発行は、お手数ですが再度お手続きをお願いいたします。重複発行は発生していないことを確認済みです。

再発防止について: 本障害の詳細な原因と再発防止策につきましては、あらためて2026年8月10日までにご報告いたします。

今後このような事態が発生しないよう、サービスの安定運用に努めてまいります。この度は誠に申し訳ございませんでした。

2026年8月3日 13:00 株式会社カケル カスタマーサポート(support@example.jp)

復旧報告のポイント

補償に言及する場合の注意

障害が長引くと、社内から「お詫びに補償へ言及すべきでは」という声が出ることがあります。ここは慎重に扱うべきポイントです。

掲出場所 — サイト・メール・ステータスページ

同じ文面でも、どこに出すかで届き方が変わります。

掲出場所長所短所
メール配信確実に届けられる。B2Bでは基本続報のたびに配信作業が発生。宛先管理が必要
サイトのお知らせ欄既存の導線で出せるサイト自体が障害で見られない場合がある。更新に開発者の手が要ることも
ステータスページ時系列更新に最適化。サービス本体と分離でき共倒れしない。購読者へ自動通知平時に用意しておく必要がある
X(旧Twitter)等のSNS速報性が高い情報が流れる。公式情報の置き場としては不安定

理想は「一次情報はステータスページに集約し、メールやSNSはそこへ誘導する」形です。障害時に情報がメール・サイト・SNSに散らばると、顧客は「どれが最新か」が分からず、結局問い合わせをします。第一報の時点で「最新情報はこちら」というURLを1つ示せるかどうかが、その後の問い合わせ件数を分けます。

注意点として、ステータスページやお知らせページはサービス本体と障害を共有しない構成にしてください。サービスと同じサーバーに置いたお知らせページは、肝心の障害時に一緒に落ちます。

文面を毎回組み立てるのをやめる

ここまでの例文は、コピーしてそのまま使っていただけます。第一報・経過報告・復旧報告に加え、緊急メンテナンス告知と顧客提出用の障害報告書ひな型を含む「システム障害の顧客連絡テンプレート集」(Word/Markdown形式)を無料配布していますので、平時のうちに手元に置いておくことをおすすめします。

入手方法: 現在開発中の国産ステータスページサービス「ステータスページJP」の事前登録特典として配布しています。登録はメールアドレスのみ(30秒・無料)、登録直後にお送りします。

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なお、ステータスページJPは、この記事で紹介したような日本語のお詫び文テンプレートを組み込み済みで、発生時刻と影響範囲を埋めるだけで第一報を掲出し、購読者へ自動通知できるサービスとして開発中です。「毎回メールを組み立てて配信する」作業自体をなくしたい方は、サービス紹介ページをご覧ください。

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