Atlassian Statuspageの料金と代替サービス比較【2026年版】
ステータスページSaaSの事実上の業界標準はAtlassian Statuspageです。ただ、実際に見積もると「必要な機能が$99や$399のプランにある」「円安でドル建て費用が読みにくい」といった理由で代替を探し始めるチームは少なくありません。
この記事では、Statuspageの料金体系を整理した上で、代替候補(Instatus / Status.io / OSS / 国産サービス)を比較します。価格はすべて2026年8月時点の各社公開情報に基づきます。為替やプラン改定で変動するため、契約前に必ず公式サイトで最新価格をご確認ください。
Statuspageの料金体系【2026年8月時点】
Statuspageの料金は「公開ページ(Public)」「認証付きページ(Private)」「オーディエンス別ページ(Audience-specific)」の3系統に分かれています。多くのSaaS企業が使うのは公開ページです。
公開ページ(Public Page)の料金
| プラン | 月額 | 購読者数 | チームメンバー | メトリクス | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| Free | $0 | 100人 | 2人 | 2 | メール/Slack/Teams通知 |
| Hobby | $29 | 250人 | 5人 | 5 | 独自ドメイン等 |
| Startup | $99 | 1,000人 | 10人 | 10 | SMS/Webhook通知、SSO |
| Business | $399 | 5,000人 | 25人 | 25 | カスタムCSS/HTML/JS、権限管理 |
| Enterprise | $1,499 | 25,000人 | 50人 | 50 | 年次発注書・請求書対応 |
認証付きページ(Private Page)の料金
社内向けや特定顧客限定のページは別体系で、公開ページより高額です。
| プラン | 月額 | 認証購読者数 | チームメンバー |
|---|---|---|---|
| Starter | $79 | 50人 | 5人 |
| Growth | $249 | 300人 | 15人 |
| Corporate | $599 | 1,000人 | 35人 |
| Enterprise | $1,499 | 5,000人 | 50人 |
このほか、顧客ごとに表示内容を変えられるAudience-specificページが$300/月〜で提供されています。
料金面で注意すべき「階段」
Statuspageの料金でつまずきやすいのは、プラン間の跳躍幅です。
- 購読者250人を超えたら$29→$99。メール購読を顧客に開放すると、B2Bでも購読者は数百人規模になりやすく、実質的にStartupプランが標準になります。
- SMS通知・Webhook通知・SSOはStartup($99)以上、カスタムCSSや細かい権限管理はBusiness($399)以上。「この機能だけ欲しい」が1段上のプランを要求します。
- 年間換算では、Startupで約$1,188、Businessで約$4,788。1ドル150円前後で換算すると年間約18万円〜72万円の規模感です(為替により変動)。
日本企業にとってのStatuspageの課題
料金以外で、日本のSaaS企業・受託運用会社から挙がりやすい課題を整理します。
1. 管理画面・テンプレートが英語基本 管理UIやインシデント更新のひな型は英語ベースです。平時は問題なくても、障害の渦中に英語UIを操作しながら日本語の「お詫びとご報告」を組み立てる作業は、地味に負荷が高いポイントです。「お詫び申し上げます」に相当する日本の定型文テンプレートは内蔵されていないため、文面は自前で用意することになります。
2. ドル建て決済と経理処理 支払いは原則クレジットカードのドル建てです。為替で毎月の請求額が揺れるため予算が立てにくく、稟議や経理処理で「円建て請求書払いにしてほしい」という要件があると、標準では対応が難しくなります(Enterpriseの年次発注書対応を除く)。
3. 日本の商習慣に関わる周辺文書はスコープ外 B2Bの障害対応で発生する「障害報告書の提出」(参考: 顧客提出用の障害報告書の書き方 — 記載項目と例文)のような文書作成は、Statuspageの機能範囲外です。これはStatuspageの欠点というより、米国製ツールと日本の商習慣のギャップです。
一方で、Statuspageの強みも正当に評価すべきです。 インシデント管理のOpsgenieやJiraを含むAtlassianエコシステムとの統合、通知チャネルの豊富さ、長年の実績と信頼性は業界随一です。グローバル展開しており英語での顧客対応が主体なら、Statuspageを選ばない理由はあまりありません。
代替候補1: Instatus — 低価格の定番
Instatusは「Statuspageより安く速く」を打ち出す代替の筆頭です。
- 料金(2026年8月時点): Free(Starter)/ Pro $20/月(年払いで$15/月)/ Business $300/月(年払いで$225/月)/ Enterpriseは個別見積り
- 特徴: Proで購読者5,000人・独自ドメイン対応と、Statuspage Startup($99)相当以上の枠を$20で使える価格破壊が持ち味。監視(モニター)機能を内蔵しており、外部監視ツールなしでもステータス自動反映が完結します。
- 注意点: UIは英語です(公開ページの多言語表示には対応)。また、SAML SSOや認証付きページなどエンタープライズ要件がBusinessプランに集中しており、$20の次が$300という階段の大きさは把握しておくべきです。
コストを抑えたい、監視まで1ツールで済ませたい、英語UIに抵抗がない。この条件ならInstatusは有力です。
代替候補2: Status.io — 老舗の高機能派
Status.ioは2013年から続く老舗の専業サービスです。
- 料金(2026年8月時点): Basic $79/月 / Standard $149/月 / Plus $349/月 / Enterpriseは$999/月〜(年払いで5%割引)
- 特徴: マルチリージョン表示、細かなコンポーネント制御、豊富な通知チャネルなど、大規模サービス向けの作り込みに定評があります。
- 注意点: 最小プランでも$79/月と、コスト面ではStatuspageの代替というより同格です。UIは英語です。
代替候補3: OSS(Upptime・Cachet)— 無料だが運用は自前
ライセンス費用をかけない選択肢としてOSSがあります。
Upptime GitHub ActionsとGitHub Pagesだけで動くステータスページ+死活監視。サーバー不要・無料で、設定はリポジトリのYAML編集のみ。個人開発や小規模サービスには十分な完成度です。ただし表示テンプレートは英語基調で、購読者へのメール通知やお詫び文の掲出といった「顧客コミュニケーション」機能は自分で作り込む必要があります。GitHub Actionsの実行間隔の制約上、検知はリアルタイムではありません。
Cachet セルフホスト型ステータスページの定番OSS(PHP/Laravel)。自社サーバーで完結でき、表示のカスタマイズ自由度は高い一方、ホスティング・アップデート・セキュリティパッチの運用が自前になります。ここで見落とされがちなのが構成上の原則で、ステータスページを自社サービスと同じインフラに置くと、障害時に一緒に落ちます。別系統のインフラを用意・維持するコストまで含めると、「無料」の実質コストは月額SaaSを上回ることも珍しくありません。
OSSが向いているのは、インフラ運用力があり、ステータスページに顧客向け通知やドキュメント機能を求めないチームです。
代替候補4: 国産「ステータスページJP」(開発中)
手前味噌になりますが、筆者らが開発している国産の選択肢も比較対象として正直に載せます。
ステータスページJPは、日本のSaaS企業・受託運用会社向けのステータスページサービスです。現在開発中で、事前登録を受付中の段階であり、いま契約できるサービスではありません。その前提で特徴を挙げると:
- 料金(予定): フリープラン(1ページ・購読者50人)+スタンダード月額4,980円(税別・予定)。円建てで、請求書払い(銀行振込)に対応予定
- 日本語特化: 管理画面・通知メール・サポートまで日本語。「お詫びとご報告」「緊急メンテナンスのお知らせ」など日本のビジネス文書定型に沿ったテンプレートを標準搭載
- 障害報告書PDF生成: 障害対応中に記録した経過から、顧客提出用の障害報告書PDFをワンクリック生成
- 監視機能はなし: UptimeRobot等の外部監視ツールからのWebhookで状態を自動反映する設計(既存の監視構成をそのまま活かす思想)
通知チャネルの種類やエコシステムの規模ではStatuspageに、監視内蔵の手軽さではInstatusに現時点で及びません。向いているのは「日本語の顧客コミュニケーションと、報告書・請求書払いといった日本の商習慣対応を最短で済ませたいチーム」です。関心があれば事前登録(無料・メールアドレスのみ)で開発状況を受け取れます。事前登録特典として、ツールなしでも使える障害連絡テンプレート集を配布しています。
選定基準チェックリスト
ツール比較の前に、自社の要件を確定させる方が早道です。以下の7問に答えると候補は自然に絞れます。
- 購読者(通知先)は何人になるか? — 顧客に購読を開放するなら数百人規模を想定。プランの購読者上限と照合する
- 通知チャネルは何が必須か? — メールのみで足りるか、SMS/Slack/Webhookが要るか。必須チャネルがどのプラン階層にあるかを確認
- 監視は既存ツールがあるか? — UptimeRobot等を運用中なら監視内蔵は不要(むしろ二重管理になる)。ゼロからなら監視内蔵型が楽
- 英語UIを障害時に操作できるか? — 平時のデモではなく「深夜の障害対応中」を想定して判断する
- 経理要件は? — ドル建てクレカ決済で稟議が通るか。円建て請求書払いが必須要件か
- 顧客への文書提出義務はあるか? — B2Bで障害報告書の提出が発生するなら、その作成フローまで含めて設計する
- ステータスページ自体の可用性 — 自社サービスと障害を共有しないインフラか(SaaSなら通常クリア、自作・セルフホストは要設計)
まとめ比較表
| Statuspage | Instatus | Status.io | OSS(Upptime/Cachet) | ステータスページJP(開発中) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 最小有料プラン | $29/月 | $20/月 | $79/月 | 無料(運用コスト自前) | 4,980円/月(税別・予定) |
| フリープラン | あり(購読者100人) | あり(購読者200人) | なし | — | あり(購読者50人・予定) |
| UI言語 | 英語中心 | 英語(公開ページ多言語対応) | 英語 | 英語基調/カスタム可 | 日本語 |
| 監視機能 | なし(連携前提) | あり(内蔵) | なし(連携前提) | Upptimeはあり | なし(Webhook連携) |
| 日本語お詫び文テンプレート | なし | なし | なし | なし | 標準搭載(予定) |
| 障害報告書PDF | なし | なし | なし | なし | 標準搭載(予定) |
| 円建て請求書払い | 標準では不可 | 不可 | 不可 | — | 対応予定 |
| 強み | 実績・エコシステム | 価格・監視内蔵 | 大規模向け機能 | 費用ゼロ・自由度 | 日本語・商習慣対応 |
※ 2026年8月時点の各社公開情報。価格・仕様は変更される場合があります。
結論の目安: グローバル展開・Atlassian環境ならStatuspage、コスト最優先・監視も一体化ならInstatus、大規模で作り込むならStatus.io、運用力があり費用ゼロを狙うならOSS。そして日本語の障害コミュニケーションと報告書対応を重視するなら、開発中ではありますが国産サービスという選択肢が生まれつつあります。
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